「円安が続いているけど、海外投資を続けていいの?」
——1ドル155円前後で推移する為替相場。S&P500やオルカンに投資している方にとって、円安の影響は気になるところです。
この記事では、2026年の為替見通しと、円安相場での海外投資リスク管理について解説します。
2026年の為替見通し
主要金融機関の予想
各金融機関の2026年ドル円予想を見てみましょう。
| 金融機関 | 2026年末予想 |
|---|---|
| 三井住友DSアセットマネジメント | 150円 |
| 野村證券 | 140円 |
| 大和アセットマネジメント | 146円 |
| マネックス証券 | 130〜165円(レンジ) |
予想がかなりバラついていますね。
そうです。専門家の間でも見方が分かれています。ただ、年後半は円高方向に振れるという見方が多いのが特徴です。日銀の利上げが進めば、円高に振れやすくなります。
円安・円高を左右する要因
円安要因:
- 日米金利差の継続
- 日本からの資本流出(海外投資ブーム)
- 政府の積極財政による財政悪化懸念
円高要因:
- 日銀の追加利上げ
- 米国の利下げ継続
- 160円を超える円安への政府介入
政府が許容できる円安水準は1ドル=160円前後とされています。これを大幅に超える一方的な円安は起きにくいとの見方があります。
円安が海外投資に与える影響
過去の投資分への影響(プラス)
すでに投資している分については、円安はプラスに働きます。
どういうことですか?
例えば、1ドル=130円の時に買った米国株は、1ドル=155円になった今、円換算で約19%の含み益が出ています。株価が同じでも、為替だけで利益が出ているんです。
新規投資への影響(マイナス)
一方、これから投資する分については、円安はマイナスに働きます。
- 同じ金額でも買える外貨が少なくなる
- 割高な水準で買うことになる
- 円高に振れると為替差損が発生
毎月積立なら、円安の時は少なく、円高の時は多く買うことになります。長期で見れば、為替の影響は平均化されます。
為替ヘッジの考え方
為替ヘッジとは
為替ヘッジとは、為替変動の影響を抑える仕組みです。「為替ヘッジあり」の投資信託を選ぶと、円高になっても円安になっても、基準価額への為替の影響が軽減されます。
| 項目 | ヘッジなし | ヘッジあり |
|---|---|---|
| 円安時 | 有利 | 影響なし |
| 円高時 | 不利 | 影響なし |
| コスト | なし | ヘッジコストあり |
長期投資なら基本的にヘッジ不要
為替ヘッジはした方がいいですか?
長期投資(10年以上)なら、基本的にヘッジは不要というのが一般的な考え方です。理由は3つあります。
1. ヘッジコストがかかる
日米金利差が大きいと、ヘッジコストが年3〜5%程度かかることがあります。長期では大きな差になります。
2. 為替は長期で平均化される
10年、20年のスパンで見ると、円高の時も円安の時もあり、影響は平均化されます。
3. インフレヘッジになる
円安はインフレ要因です。外貨資産を持つことで、インフレから資産を守る効果があります。
ヘッジを検討すべきケース
ただし、以下のケースでは為替ヘッジを検討する価値があります。
- 投資期間が5年以内と短い
- 為替変動が精神的に辛い
- 円高が進むと確信している
円安相場での実践的な投資戦略
1. 積立投資を継続する
最も重要なのは、積立を止めないことです。
為替が気になって積立を止めてしまう人がいますが、それは機会損失につながります。ドルコスト平均法の効果を活かすためにも、淡々と継続しましょう。
2. 一括投資は分散する
まとまった資金を一括で投資する場合は、時期を分散することをおすすめします。
- 半年〜1年かけて分割投資
- 円高局面で多めに投資
- 為替水準を見ながら調整
3. 円建て資産とのバランスを取る
海外資産ばかりに偏らないよう、円建て資産とのバランスも意識しましょう。
| 資産タイプ | 円安時 | 円高時 |
|---|---|---|
| 海外株式 | ↑ | ↓ |
| 日本株式 | → | → |
| 円建て債券 | → | → |
日本株や円建て債券をポートフォリオに組み入れることで、為替変動の影響を和らげることができます。
4. 為替予約で計画的に両替
海外旅行や留学など、将来ドルが必要な場合は、為替予約(FX口座での両替)を活用する方法もあります。円高局面で計画的に両替しておくと、為替リスクを軽減できます。
NISAで投資する海外株式ファンドは、日本円で購入・売却します。為替手数料は投資信託の中で自動的に処理されるため、個人で両替する必要はありません。
まとめ
円安相場での海外投資について、ポイントをまとめます。
2026年の為替見通し:
- 専門家の予想は140〜165円と幅広い
- 年後半は円高方向との見方が多い
- 160円を大幅に超える円安は起きにくい
円安相場での投資戦略:
- 積立投資は淡々と継続する
- 一括投資は時期を分散する
- 円建て資産とのバランスを取る
- 長期投資なら為替ヘッジは基本不要
為替に一喜一憂せず、長期目線で投資を続けることが大切です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
為替相場の予想は各金融機関の見解であり、将来の相場を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
よくある質問
専門家の予想は140〜165円と幅広いですが、年後半は円高方向に振れるとの見方が多いです。日銀の利上げが進めば円高、米国経済が強ければ円安になりやすいです。
長期投資なら問題ありません。積立投資を続けることで、為替の影響は平均化されます。一括投資の場合は、時期を分散することをおすすめします。
長期投資(10年以上)なら基本的に不要です。ヘッジコストが年3〜5%程度かかることがあり、長期では大きな差になります。
追加投資のチャンスと考えましょう。円高の時は同じ金額でより多くの外貨資産を買えます。積立投資を継続していれば、自動的にこの効果を得られます。