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バンガードとは|インデックス投資の生みの親、VOO・VTI運営企業を解説
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バンガードとは|インデックス投資の生みの親、VOO・VTI運営企業を解説

2025-12-28
2025-12-28 更新

世界初のインデックスファンドを生んだバンガード。運用資産7兆ドル超、VOO・VTI等の人気ETFを運営。低コスト投資の代名詞となった同社を解説。

「VOOとかVTIって聞くけど、バンガードって何?」

投資を始めると必ず耳にする「バンガード」という名前。実は、この会社がなければ、私たちが今当たり前のように買っている低コストのインデックスファンドは存在しなかったかもしれません。

バンガードは1976年に世界で初めて個人投資家向けのインデックスファンドを提供した、まさにインデックス投資の生みの親。今回は、この革命的な企業について詳しく解説します。

バンガードとは?ざっくり理解

バンガード(The Vanguard Group)は、アメリカに本社を置く世界第2位の資産運用会社です。

読者
読者

世界2位って、1位はどこなんですか?

西山(投資信託アナリスト)
西山(投資信託アナリスト)

1位はブラックロック(約11.6兆ドル)です。でも、バンガードの7兆ドル超も日本円で1,000兆円以上。日本のGDPの2倍近い規模なので、とんでもない金額ですよね。

運用資産の大部分が「インデックスファンド」や「ETF」なのがバンガードの特徴。アクティブファンドで高い手数料を取るのではなく、市場平均に連動する低コストな商品で勝負してきた会社です。

創業者ジョン・ボーグルの革命

バンガードを語る上で欠かせないのが、創業者のジョン・ボーグル氏です。

「インデックスファンドの父」

ボーグル氏は1974年にバンガードを設立し、1976年に世界初の個人投資家向けインデックスファンド「First Index Investment Trust」(現:バンガード500インデックス・ファンド)を立ち上げました。

読者
読者

なぜインデックスファンドを作ろうと思ったんですか?

西山
西山

ボーグル氏は「ほとんどのアクティブファンドは市場平均に勝てない。それなら最初から市場平均に連動するファンドを低コストで提供すればいい」と考えたんです。当時は「愚か者のアイデア」と馬鹿にされましたが、歴史が彼の正しさを証明しました。

最初は大失敗だった

実は、世界初のインデックスファンドは大失敗のスタートでした。

発売当初の苦戦
  • 目標募集額:1億5,000万ドル
  • 実際の募集額:1,100万ドル(目標の7%)
  • 「ボーグルの愚行」と揶揄された

しかしボーグル氏は諦めませんでした。地道に低コストの価値を訴え続け、現在このファンドは**約789億ドル(約11兆円)**もの資産を運用するまでに成長しています。

バンガードが安い理由

「なぜバンガードはこんなに経費率が低いの?」

これには、他の運用会社にはない独自の仕組みがあります。

投資家が会社を所有する構造

普通の運用会社は、外部の株主に利益を還元する必要があります。でもバンガードは違います。

バンガードの独自構造
  1. 投資家がバンガードのファンドを購入
  2. そのファンドがバンガード社を所有
  3. つまり、投資家が間接的にバンガードを所有

→ 外部株主への配当が不要
→ その分を手数料の引き下げに回せる

読者
読者

えっ、じゃあ私がVOOを買ったら、バンガードの株主みたいなものですか?

西山
西山

そうなんです!正確には間接的な所有ですが、バンガードは「投資家のための投資家による会社」なんです。だから利益を追求するのではなく、コスト削減を追求できるんですね。

アットコストの原則

バンガードは「アットコスト(at cost)の原則」を掲げています。これは「運用にかかる実費だけを投資家から受け取る」という考え方。

その結果、バンガードの平均経費率は0.07%。業界平均の**0.27%**と比べると約4分の1という驚きの安さです。

100万円を30年運用した場合、この0.2%の差は約20万円もの差になります。「たかが0.2%」と思うかもしれませんが、長期投資では大きな差になるんです。

日本で人気のバンガードETF

では、具体的にどんな商品があるのか見てみましょう。

ティッカー 名称 投資対象 経費率
VOO Vanguard S&P 500 ETF S&P500(米国大型株500社) 0.03%
VTI Vanguard Total Stock Market ETF 全米株式(約4,000社) 0.03%
VT Vanguard Total World Stock ETF 全世界株式(約9,000社) 0.07%

VOO vs VTI、どっちがいい?

これ、投資初心者からよく聞かれる質問です。

読者
読者

VOOとVTI、結局どっちを買えばいいんですか?迷ってます…

西山
西山

結論から言うと、どちらでもOKです。VOOは米国大型株500社、VTIは全米約4,000社に投資しますが、値動きはほぼ同じ。過去のリターンもほとんど差がありません。「S&P500」という名前に親しみがあればVOO、より広く分散したければVTIという程度の違いです。

迷ったら、日本の投資信託で「楽天・全米株式インデックスファンド」や「SBI・V・全米株式」を選ぶのもアリ。これらはVTIに連動するので、実質的にバンガードに投資しているのと同じです。

ブラックロックとの違い

運用資産世界1位のブラックロックと、どう違うのでしょうか?

読者
読者

ブラックロックのiSharesも有名ですよね。バンガードとどっちがいいですか?

西山
西山

正直、どちらも優秀です。S&P500連動で比較すると、バンガードのVOOもブラックロックのIVVも経費率0.03%で同じ。純資産額はIVVの方が若干大きいですが、実用上の差はほとんどありません。

強いて違いを挙げるなら:

  • バンガード:低コストへのこだわり、シンプルな商品ラインナップ
  • ブラックロック:商品の品揃えが豊富、テーマ型ETFも充実

長期のインデックス投資なら、どちらを選んでも大きな差はありません。

日本からの投資方法

バンガードETFは日本からも簡単に買えます。

海外ETFとして直接購入

SBI証券、楽天証券、マネックス証券などで、VOO・VTI・VTを直接購入できます。

海外ETF購入時の注意点
  • 為替手数料がかかる(片道25銭程度)
  • 分配金に米国で10%、日本で20.315%の税金
  • 確定申告で外国税額控除の手続きが必要

投資信託で間接的に投資

「海外ETFは面倒そう…」という人には、VTIやVOOに連動する投資信託がおすすめ。

  • 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)
  • SBI・V・全米株式インデックスファンド
  • SBI・V・S&P500インデックスファンド

これらは円建てで買えて、NISAのつみたて投資枠でも購入可能。分配金の再投資も自動でやってくれるので、手間がかかりません。

バンガードの名前の由来

ちょっとした豆知識ですが、「Vanguard」という社名にも意味があります。

読者
読者

バンガードって、どういう意味ですか?

西山
西山

「先駆者」「前衛」という意味です。18世紀のナイルの海戦で活躍した、イギリス海軍のネルソン提督の旗艦「HMS Vanguard」から取られています。投資業界に革命を起こすという意志が込められていたんでしょうね。

まとめ:バンガードが投資の常識を変えた

バンガードがいなければ、今のような低コストのインデックス投資は存在しなかったかもしれません。

  • 1976年、世界初の個人向けインデックスファンドを提供
  • 「投資家が所有者」という独自構造で低コストを実現
  • 平均経費率0.07%は業界平均の約4分の1
  • VOO、VTI、VTは日本の個人投資家にも大人気

ボーグル氏は2019年に亡くなりましたが、彼の「投資家ファースト」の理念は今もバンガードに受け継がれています。

長期でコツコツ積み立てるなら、バンガードの商品は有力な選択肢。日本の投資信託経由でも気軽に投資できるので、ぜひ検討してみてください。

よくある質問(記事のおさらい)

Q
Q1. バンガードはなぜこんなに経費率が低いのですか?
A

バンガードは「投資家がファンドを所有し、そのファンドがバンガード社を所有する」という独自構造です。外部株主への利益還元が不要なため、運用コストを極限まで下げ、投資家に還元しています。これを「アットコストの原則」と呼びます。

Q
Q2. VOOとVTIはどちらを選べばいいですか?
A

どちらでも大丈夫です。VOOはS&P500(米国大型500社)、VTIは全米株式(約4,000社)に投資しますが、過去のリターンはほぼ同じ。シンプルさを重視するならVOO、中小型株も含めて広く分散したいならVTIがおすすめです。

Q
Q3. 日本からバンガードETFを買う方法は?
A

SBI証券や楽天証券で海外ETFとして直接購入できます。手間を省きたい場合は、「楽天・全米株式インデックスファンド」や「SBI・V・S&P500」など、バンガードETFに連動する投資信託を購入する方法もあります。円建てで買えて、NISAのつみたて投資枠にも対応しています。


※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。