「ターゲットイヤーファンドって何?」「退職年を選ぶだけでいいの?」
ターゲットイヤーファンドは、目標年に向けて自動的に資産配分を調整してくれる投資信託です。
この記事では、ターゲットイヤーファンドの仕組み・メリット・注意点を解説します。
ターゲットイヤーファンドとは
ターゲットイヤーファンドは、退職予定年などの目標年(ターゲットイヤー)に向けて、自動的にリスクを下げていく投資信託です。
基本的な仕組み
若いうち(目標年まで遠い):
- 株式比率が高い(70〜90%)
- リスクを取ってリターンを狙う
目標年が近づくにつれ:
- 株式比率を徐々に下げる
- 債券比率を増やす
- リスクを抑えていく
目標年到達後:
- 株式比率が低い(30〜50%)
- 安定運用にシフト
具体例
「ターゲット2050」の場合:
| 時期 | 株式 | 債券 |
|---|---|---|
| 2026年(目標まで24年) | 85% | 15% |
| 2035年(目標まで15年) | 70% | 30% |
| 2045年(目標まで5年) | 50% | 50% |
| 2050年(目標年) | 30% | 70% |
なぜ目標年に向けてリスクを下げるんですか?
退職直前に暴落が起きると、老後資金が大きく目減りしてしまいます。目標年が近づくほどリスクを下げることで、暴落のダメージを軽減できるんです。
グライドパスとは
ターゲットイヤーファンドの資産配分の変化曲線を「グライドパス」と呼びます。
グライドパスの種類
To型:
- 目標年で資産配分の変化が止まる
- その後は固定の配分で運用
Through型:
- 目標年以降も配分変化が続く
- 退職後もリスクを下げ続ける
ファンドによってグライドパスが異なるため、確認が必要です。
ターゲットイヤーファンドのメリット
メリット1:完全自動で運用
資産配分の調整がすべて自動で行われます。
- リバランス不要
- 年齢に応じたリスク調整も自動
- 「ほったらかし」でOK
メリット2:退職年を選ぶだけ
自分の退職予定年に近いファンドを選ぶだけでOKです。
例:
- 現在30歳、60歳で退職予定 → 「ターゲット2055」を選択
- 現在45歳、65歳で退職予定 → 「ターゲット2045」を選択
メリット3:年齢に合ったリスク管理
若いうちはリスクを取り、退職が近づくとリスクを下げる「年齢に応じた運用」が自動で実現します。
メリット4:分かりやすい
「2050」「2060」など、目標年がファンド名に入っているので選びやすいです。
ターゲットイヤーファンドのデメリット
デメリット1:信託報酬が高め
株式のみのインデックスファンドより信託報酬が高い傾向があります。
| ファンドタイプ | 信託報酬の目安 |
|---|---|
| 全世界株式インデックス | 0.05〜0.1% |
| バランスファンド | 0.1〜0.2% |
| ターゲットイヤー | 0.2〜0.5% |
長期では大きな差になります。
デメリット2:リターンが抑えられる
株式比率が自動で下がるため、長期リターンは株式100%より低くなります。
デメリット3:柔軟性がない
自分で資産配分を調整できません。
- 「もっと株式比率を上げたい」ができない
- 個人の状況に合わせたカスタマイズ不可
デメリット4:目標年の設定が難しい
退職年は変わる可能性があります。
- 早期退職した場合
- 定年延長になった場合
- ライフプランが変わった場合
ターゲットイヤーファンドは「退職年=目標年」が前提です。退職後もリスクを取りたい人、早期リタイアを目指す人には合わない場合があります。
主なターゲットイヤーファンド
三菱UFJターゲット・イヤー・ファンド
特徴:
- 2030〜2060まで5年刻みで選択可能
- 信託報酬:0.396%
- 国内外の株式・債券に分散
野村ターゲットデートファンド
特徴:
- 2030〜2065まで選択可能
- 信託報酬:0.44%
- REITも含む
セゾン資産形成の達人ファンド(ターゲットイヤー型)
特徴:
- アクティブ運用を含む
- 信託報酬:1%程度
- 高コストだが独自の運用
どのターゲットイヤーファンドを選べばいいですか?
信託報酬の低さを重視しましょう。同じターゲットイヤーでも、運用会社によってコストが異なります。三菱UFJのシリーズが比較的低コストです。
ターゲットイヤーファンドが向いている人
向いている人
- 完全に「ほったらかし」で運用したい人
- リバランスを自分でやりたくない人
- 退職年が明確で変わらない人
- 企業型DCで選択肢が限られている人
向いていない人
- コストを最小化したい人
- 自分で資産配分を決めたい人
- 退職後もリスクを取って運用したい人
- 早期リタイアを目指す人
ターゲットイヤーファンドの代替案
代替案1:自分でリバランス
全世界株式と債券ファンドを個別に持ち、年1回リバランスする方法です。
メリット:コストを抑えられる
デメリット:手間がかかる
代替案2:バランスファンド
固定配分のバランスファンドを持ち、年齢に応じてファンドを切り替える方法です。
メリット:柔軟に調整できる
デメリット:切り替え時に税金がかかる
代替案3:シンプルに株式100%
長期投資なら全世界株式100%を持ち続ける方法もあります。
メリット:リターン最大化、コスト最小
デメリット:暴落時のリスクが高い
まとめ
ターゲットイヤーファンドについて解説しました。
メリット:
- 完全自動で運用できる
- 年齢に応じたリスク管理が自動
- 退職年を選ぶだけでOK
デメリット:
- 信託報酬が高め
- リターンが抑えられる
- 柔軟性がない
「完全ほったらかし」で運用したい人には便利ですが、コストを気にする人は自分でポートフォリオを組む方がお得です。
よくある質問
65歳退職を想定して選ぶのが一般的です。早期退職や延長になった場合は、その時点で見直しましょう。迷うならターゲットイヤーより通常のバランスファンドが柔軟です。
iDeCoで取り扱っている金融機関もあります。企業型DCではラインナップに入っていることが多いです。取扱商品を確認してください。
ファンドによります。「To型」は資産配分が固定されます。「Through型」は目標年以降も徐々にリスクを下げ続けます。目論見書で確認してください。
別のターゲットイヤーのファンドに乗り換えることは可能です。ただし、売却時に利益があれば税金がかかります(NISA口座を除く)。