「日本の半導体株は、今が買い時なのか?」
——2026年初頭、投資家から最も多く寄せられる質問の一つです。
日本政府は半導体・AI分野に総額10兆円(約650億ドル)の支援を決定。2026年度だけで1.23兆円が予算化され、過去最大規模の投資が行われます。
注目銘柄と投資判断のポイントを解説します。
政府支援の全容
10兆円の行方
10兆円って、何に使われるんですか?
主に4つの分野です。①半導体製造設備への補助金、②研究開発支援、③人材育成、④国内生産拠点の誘致。特にTSMCの熊本工場、Rapidusの北海道工場など、海外・国内企業の製造拠点誘致に重点が置かれています。
支援の内訳(概要):
- 2026年度予算:1.23兆円(前年度比約3倍)
- TSMC熊本工場:第1・第2工場で約1兆円
- Rapidus(北海道):先端ロジック半導体
- 研究開発・人材育成:複数年で数兆円規模
半導体は「産業のコメ」と呼ばれ、自動車、スマートフォン、AI、防衛などあらゆる分野に不可欠です。経済安全保障の観点から、国内生産能力の強化が急務となっています。
市場規模の成長
| 年 | 日本の半導体市場規模 |
|---|---|
| 2025年 | 約482億ドル |
| 2034年(予測) | 約1,753億ドル |
| CAGR | 15.8% |
年率15.8%って、かなり高成長ですね。
AI需要が爆発的に伸びているからです。データセンター向けの高性能半導体、自動運転向けのチップなど、需要は当面衰える気配がありません。日本企業にとっては大きなチャンスです。
注目銘柄
Advantest(6857)
アドバンテストって、何をしている会社ですか?
半導体の「テスト装置」を作っている会社です。半導体チップが正常に動作するかを検査する機械——これがないと半導体は出荷できません。AI向け高性能チップの検査需要が急増しており、業績が絶好調です。
Advantestの注目ポイント:
- 2026年度売上高予想:21.8%増
- 純利益成長率:70.6%増
- AI向けテスト装置で世界トップシェア
- Morgan Stanleyが「アジアのトップピック」に選定
Advantestの予想PERは約48倍と、決して割安ではありません。ただし、70%超の利益成長を考慮すれば、成長株としては許容範囲という見方もあります。
東京エレクトロン(8035)
東京エレクトロンの注目ポイント:
- 半導体製造装置で世界3位
- AI向け「前工程」装置で需要増
- Morgan Stanleyが「オーバーウェイト」に格上げ
- 配当利回り約2%と株主還元も
アドバンテストと東京エレクトロン、どちらがいいですか?
一概には言えませんが、より成長重視ならアドバンテスト、安定性も重視するなら東京エレクトロンという見方ができます。東京エレクトロンは配当利回りもあり、バランスが取れています。
その他の注目銘柄
| 銘柄 | コード | 特徴 |
|---|---|---|
| Kokusai Electric | 6525 | 成膜装置、Morgan Stanleyが格上げ |
| レーザーテック | 6920 | EUV検査装置、高成長だが高PER |
| ディスコ | 6146 | 切断・研削装置、ニッチトップ |
投資判断のポイント
リスク要因
半導体株って、値動きが激しいイメージがあります。
その通りです。半導体はシクリカル(景気循環型)な産業で、需要の波が大きいのが特徴。好況時は爆発的に伸びますが、不況時は急落することも。分散投資やタイミング分散が重要です。
主なリスク要因:
- 景気後退による需要減少
- 米中対立の激化(輸出規制リスク)
- 競合他社との価格競争
- バリュエーションの高さ
2025年、MSCI Japan Information Technology Indexの構成企業の75%以上が市場予想を上回る決算を発表。2026年の利益成長率は42.7%と予想されており、セクター全体として好調です。
投資アプローチ
推奨されるアプローチ:
- 分散投資:1銘柄に集中せず、複数銘柄やETFで分散
- 時間分散:一括投資ではなく、複数回に分けて投資
- 長期視点:政府支援は複数年にわたる、短期売買より長期保有
- 情報収集:決算発表、米中関係のニュースをチェック
ETFで投資する方法もありますか?
あります。「日経半導体株指数」に連動するETFや投資信託が登場しています。個別株選びに自信がない場合は、ETFで業界全体に投資するのも有効な選択肢です。
まとめ
日本の半導体株投資のポイントをまとめます。
市場環境:
- 政府が半導体・AIに10兆円の支援を決定
- 2026年度だけで1.23兆円(過去最大)
- 市場規模は2034年に約3.6倍の成長予測
注目銘柄:
- Advantest:AI向けテスト装置で世界トップ、利益70%成長
- 東京エレクトロン:製造装置世界3位、配当利回りも魅力
- Kokusai Electric、レーザーテック、ディスコなども注目
投資判断:
- バリュエーション(PER)は高め
- シクリカル産業のためリスクあり
- 分散投資・時間分散を推奨
10兆円の政府支援という「追い風」は確実。ただし高成長セクターゆえの高バリュエーションとリスクを理解した上で、投資判断を行いましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
よくある質問
総額10兆円(約650億ドル)です。2026年度だけで1.23兆円が予算化され、TSMC熊本工場やRapidusなどに投じられます。
半導体のテスト装置を製造する会社です。AI向け高性能チップの検査需要が急増しており、2026年度は純利益70%超の成長が見込まれています。
景気循環に敏感で需要の波が大きい点、米中対立による輸出規制リスク、バリュエーションの高さなどが挙げられます。
日経半導体株指数に連動するETFや投資信託で、業界全体に分散投資する方法があります。