「金利が上がると投資にどう影響する?」「今の投資戦略を見直すべき?」
日銀の金融政策正常化により、日本も金利上昇局面に入っています。
この記事では、金利上昇が各資産に与える影響と、金利上昇局面での投資戦略を解説します。
金利上昇の背景
日本の金融政策正常化
日銀は長年のゼロ金利・マイナス金利政策から転換し、金融政策の正常化を進めています。
これまでの流れ:
- 2024年3月:マイナス金利解除
- 2024年7月:追加利上げ(0.25%へ)
- 2025年以降:段階的な利上げ継続
なぜ金利を上げるのか
理由:
- インフレ率が目標の2%を安定的に達成
- 賃上げによる持続的な物価上昇
- 超低金利の副作用(金融機関の収益悪化など)是正
金利が上がると、私たちの投資にどう影響するんですか?
金利上昇は株式・債券・REITすべてに影響します。一般的に、金利上昇は債券価格の下落、株式のバリュエーション調整、REITへの逆風となります。
金利上昇が各資産に与える影響
株式への影響
マイナスの影響:
- 将来キャッシュフローの割引率が上昇 → 理論株価が下がる
- 成長株(グロース株)ほど影響が大きい
- 企業の借入コスト上昇 → 業績への圧力
プラスの影響:
- 金融セクター(銀行・保険)は収益改善
- 経済が健全な証拠 → 景気には追い風も
| セクター | 金利上昇の影響 |
|---|---|
| グロース株 | マイナス(大) |
| バリュー株 | マイナス(小〜中) |
| 金融 | プラス |
| 不動産 | マイナス |
| 公益 | マイナス |
債券への影響
原則:金利が上がると債券価格は下がる
理由:
- 既存の低金利債券より、新発債券の方が魅力的になる
- 既存債券を売って新発債券を買う動きが出る
- 既存債券の価格が下落
債券の「デュレーション」が長いほど、金利変動の影響を大きく受けます。長期債ほど金利上昇時に価格が下がりやすいです。
REITへの影響
マイナスの影響:
- REITは借入金で不動産を購入 → 金利上昇で収益圧迫
- 分配金利回りの相対的な魅力低下
- 不動産価格への下押し圧力
金利上昇局面では、REITは軟調になりやすい傾向があります。
為替への影響
日本の金利上昇 → 円高要因
- 日米金利差が縮小
- 円を買う動きが出やすい
- 外国株投資は為替差損の可能性
金利上昇局面での投資戦略
戦略1:グロース株からバリュー株へシフト
金利上昇局面では、バリュー株が相対的に有利です。
理由:
- グロース株は将来の成長を織り込んでおり、金利上昇で評価が下がりやすい
- バリュー株は現在の業績で評価されるため影響が小さい
対応:
- グロース株への偏りを減らす
- 高配当株・バリュー株の比率を増やす
戦略2:金融セクターへの投資
銀行・保険は金利上昇の恩恵を受けます。
理由:
- 銀行:貸出金利と預金金利の差(利ざや)が拡大
- 保険:運用利回りの改善
日本株の例:
- メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)
- 地銀
- 損保・生保
戦略3:債券は短期債・変動金利型を検討
金利上昇時の債券戦略:
- 長期債より短期債(デュレーションが短い)
- 固定金利より変動金利型
- 物価連動債も選択肢
ファンドの例:
- 短期国債ファンド
- 変動金利型社債ファンド
戦略4:REITは慎重に
金利上昇局面ではREITへの新規投資は慎重に。
対応:
- 新規投資は控えめに
- 保有分は長期目線で継続保有も選択肢
- 金利上昇が落ち着いてから検討
戦略5:為替ヘッジの検討
円高リスクがある場合、為替ヘッジ付きファンドも検討しましょう。
注意点:
- ヘッジコストがかかる
- 長期では為替変動は平均化される傾向
全世界株式のインデックス投資はどうすればいいですか?
長期投資なら基本的に継続でOKです。金利上昇は一時的な調整要因になりますが、長期では企業業績の成長が株価を押し上げます。短期の変動に惑わされず、積立を続けましょう。
金利上昇時のNG行動
NG1:パニックで株式を売却
金利上昇で株価が下がっても、長期投資なら売却する必要はありません。
NG2:長期債券に一括投資
金利上昇が続く局面で長期債券に投資すると、価格下落のリスクがあります。
NG3:為替だけを見て投資判断
為替は読みにくいため、為替予想に基づく投資判断は避けましょう。
金利上昇局面のポートフォリオ例
保守的なポートフォリオ
- 全世界株式:50%
- 国内債券(短期):30%
- 現金・預金:20%
バランス型ポートフォリオ
- 全世界株式:60%
- 日本高配当株:15%
- 国内債券:15%
- 現金・預金:10%
積極的なポートフォリオ
- 全世界株式:70%
- 日本金融株:10%
- バリュー株ETF:10%
- 現金・預金:10%
まとめ
金利上昇局面の投資戦略を解説しました。
金利上昇の影響:
- グロース株:マイナス(大)
- バリュー株・金融:比較的有利
- 債券:価格下落(特に長期債)
- REIT:逆風
投資戦略:
- グロースからバリューへシフト
- 金融セクターに注目
- 債券は短期・変動金利型
- REITは慎重に
- 長期インデックス投資は継続
金利上昇は永遠には続きません。長期目線を忘れずに、冷静に対応しましょう。
よくある質問
長期投資なら基本的に継続でOKです。金利上昇は短期的な調整要因ですが、長期では企業業績の成長が株価を支えます。積立投資は続けましょう。
短期的には価格下落の可能性がありますが、長期保有なら利息収入でカバーできます。気になる場合は、短期債ファンドや変動金利型への切り替えを検討してください。
すでに金利上昇を織り込んで株価が上昇している面はあります。ただし、金利上昇が続けばさらなる恩恵も期待できます。高値掴みを避けるため、分散投資をおすすめします。
外国株投資は為替差損になりますが、長期では為替変動は平均化されます。また、円高は海外資産を安く買えるチャンスでもあります。積立投資を続けましょう。