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損益通算と繰越控除|投資で損した時の税金対策を解説
節税・制度

損益通算と繰越控除|投資で損した時の税金対策を解説

2026-01-04
2026-01-04 更新

投資で損失が出たら確定申告で税金を取り戻せる?損益通算と繰越控除の仕組み、対象となる取引、具体的な申告方法を解説します。

「投資で損失が出てしまった…」「損した時も確定申告すべき?」

投資で損失が出ると落ち込みますが、確定申告で税金を取り戻すチャンスがあります。

この記事では、損益通算繰越控除の仕組みを解説します。損失が出た年こそ確定申告が重要です。

損益通算とは

損益通算とは、利益と損失を相殺して、課税対象となる所得を減らすことです。

基本的な仕組み

例えば、以下のような取引をした場合:

  • A株:50万円の利益
  • B株:30万円の損失

損益通算すると:

  • 課税対象:50万円 - 30万円 = 20万円
  • 税金:約4万円(20万円 × 20%)

損益通算しない場合:

  • 課税対象:50万円
  • 税金:約10万円

差額:約6万円お得になります。

読者
読者

特定口座(源泉徴収あり)でも損益通算されますか?

青山(独立系FP)
青山(独立系FP)

同じ証券会社内であれば自動で損益通算されます。ただし、複数の証券会社で取引している場合は、確定申告しないと損益通算されません。

損益通算できる取引

取引の種類 損益通算
上場株式の売買損益
投資信託の売買損益
ETFの売買損益
上場株式の配当金
投資信託の分配金(普通分配金)
NISA口座での損益 ×
仮想通貨(暗号資産)の損益 ×
FXの損益 ×(別枠で損益通算可能)
注意

NISA口座の損失は損益通算できません。NISAで損失が出ても、他の口座の利益と相殺することはできないのでご注意ください。

繰越控除とは

繰越控除とは、その年に使いきれなかった損失を、翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の利益と相殺できる制度です。

基本的な仕組み

例えば、以下のような状況を考えます:

2025年:100万円の損失(確定申告で繰越)

2026年:40万円の利益

  • 繰越損失と相殺:40万円 - 40万円 = 課税ゼロ
  • 残りの繰越損失:100万円 - 40万円 = 60万円

2027年:50万円の利益

  • 繰越損失と相殺:50万円 - 50万円 = 課税ゼロ
  • 残りの繰越損失:60万円 - 50万円 = 10万円

2028年:30万円の利益

  • 繰越損失と相殺:30万円 - 10万円 = 課税対象20万円

このように、損失を将来の利益と相殺することで、3年間で最大約20万円の税金を節約できます。

読者
読者

損した年も確定申告しておくメリットがあるんですね!

青山
青山

その通りです!損失が出た年に確定申告しておかないと、繰越控除の権利がなくなってしまいます。損した年こそ確定申告を忘れずに。

繰越控除の条件

繰越控除を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 損失が出た年に確定申告する
  2. その後も毎年確定申告を続ける(利益がなくても)
  3. 損失から3年以内に利益と相殺する
重要

確定申告を1年でも飛ばすと、繰越控除の権利がなくなります。損失を繰り越している間は、必ず毎年確定申告してください。

確定申告のやり方

損益通算の申告

手順 損益通算の確定申告手順
1
年間取引報告書を用意

各証券会社から届く年間取引報告書を揃えます。複数の証券会社を使っている場合はすべて必要です。

2
確定申告書作成コーナーにアクセス

国税庁の確定申告書作成コーナーで「株式等の譲渡所得」を選択します。

3
各証券会社の損益を入力

すべての証券会社の譲渡損益、配当等を入力します。システムが自動で損益通算を計算します。

4
還付金を確認して申告

還付される税金がある場合は、振込先口座を入力して申告書を提出します。

繰越控除の申告

損失を繰り越す場合は、以下の追加手続きが必要です。

  1. 「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を作成
  2. 「確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」を提出

確定申告書作成コーナーを使えば、自動で必要な書類が作成されます。

具体的なシミュレーション

ケース1:同じ年に損益が発生

A証券:80万円の利益(源泉徴収済み:約16万円)
B証券:50万円の損失

確定申告で損益通算すると:

  • 課税対象:80万円 - 50万円 = 30万円
  • 本来の税金:約6万円
  • すでに払った税金:約16万円
  • 還付:約10万円

ケース2:損失のみの年

2025年:100万円の損失(利益なし)

確定申告で繰越すると:

  • 2025年の税金:0円
  • 100万円を2026年以降に繰越

2026年:60万円の利益(源泉徴収済み:約12万円)

確定申告で繰越控除を適用:

  • 課税対象:60万円 - 60万円 = 0円
  • 還付:約12万円
  • 残りの繰越損失:40万円

ケース3:配当金との損益通算

株式売却:30万円の損失
配当金:20万円(源泉徴収済み:約4万円)

確定申告で損益通算すると:

  • 課税対象:20万円 - 20万円 = 0円
  • 還付:約4万円
  • 残りの繰越損失:10万円
読者
読者

配当金の税金も取り戻せるんですか?

青山
青山

はい、株式の売却損と配当金は損益通算できます。配当金で源泉徴収された税金が還付される形になります。

注意点

NISA口座は対象外

NISA口座での損失は、他の口座の利益と損益通算できません。NISAで損失を出しても、税金上のメリットはありません。

確定申告すると住民税に影響

確定申告で所得が増えると、国民健康保険料や住民税に影響する場合があります。扶養に入っている方は特に注意してください。

毎年の申告を忘れずに

繰越控除を続けるには、毎年確定申告が必要です。申告を1年でも飛ばすと繰越が途切れます。

まとめ

損益通算と繰越控除について解説しました。

ポイント:

  • 損益通算で利益と損失を相殺し税金を減らせる
  • 複数証券会社の通算には確定申告が必要
  • 繰越控除で損失を3年間繰り越せる
  • 損失が出た年こそ確定申告が重要
  • 毎年確定申告を続けないと繰越が途切れる

投資で損失が出ても、確定申告で税金を取り戻すチャンスがあります。ぜひ活用してください。

よくある質問

Q
Q1. 同じ証券会社内なら自動で損益通算されますか?
A

はい、特定口座(源泉徴収あり)であれば、同じ証券会社内の損益は自動で通算されます。ただし、複数の証券会社間での通算には確定申告が必要です。

Q
Q2. 損失の繰越は何年間有効ですか?
A

損失は翌年以降3年間繰り越せます。ただし、毎年確定申告を続ける必要があります。

Q
Q3. NISAの損失も繰越控除できますか?
A

いいえ、NISA口座の損失は損益通算・繰越控除の対象外です。NISAで損失が出ても、税金上のメリットはありません。

Q
Q4. 配当金と売却損を損益通算できますか?
A

はい、上場株式の売却損と配当金は損益通算できます。確定申告することで、配当金で源泉徴収された税金が還付されます。