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資産1,000万円を超えたら考える相続対策|生前贈与と節税の基本
節税・制度

資産1,000万円を超えたら考える相続対策|生前贈与と節税の基本

2026-01-06
2026-01-06 更新

資産が1,000万円を超えてきたら、少しずつ相続対策を意識しましょう。基礎控除の仕組み、生前贈与の活用法、相続時精算課税制度の改正ポイントを解説します。

「相続対策なんて、まだ先の話でしょ?」

——そう思っている方も多いでしょう。しかし、資産が1,000万円を超えてきたら、少しずつ相続について考え始めるタイミングです。

この記事では、相続税の基礎控除の仕組みと、生前贈与を活用した相続対策を解説します。

相続税の基礎控除を知ろう

基礎控除の計算式

相続税には基礎控除があり、これを超えない限り相続税はかかりません。

基礎控除 = 3,600万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人 基礎控除額
1人 4,200万円
2人 4,800万円
3人 5,400万円
4人 6,000万円
読者
読者

法定相続人って何ですか?

青山(専門家)
青山(専門家)

民法で定められた相続する権利がある人のことです。配偶者は常に相続人になり、それに加えて子どもがいれば子ども、子どもがいなければ親、親もいなければ兄弟姉妹という順番で決まります。

意外と身近な相続税

2015年の税制改正で基礎控除額が引き下げられ、相続税が身近な税金になりました。

相続税がかかる可能性がある資産:

  • 不動産(自宅含む)
  • 預貯金
  • 株式・投資信託
  • 生命保険(非課税枠超過分)
  • その他の財産
都市部の不動産

都市部に自宅を所有している場合、土地だけで基礎控除を超えるケースも珍しくありません。自宅の評価額は一度確認しておくことをおすすめします。

生前贈与の基本

暦年贈与(年110万円の非課税枠)

毎年110万円までは贈与税がかかりません。これを暦年贈与といいます。

読者
読者

毎年110万円ずつ贈与すれば、相続税を減らせるんですね。

青山
青山

そうです。10年続ければ1,100万円を非課税で移転できます。時間をかけることで、大きな効果が得られるのが生前贈与の特徴です。

暦年贈与の注意点

ただし、2024年からの税制改正で注意点があります。

相続前7年以内の贈与は相続財産に加算:

  • 以前は3年以内だったが、7年に延長
  • 相続直前の駆け込み贈与が難しくなった
  • 早めに始めることがより重要に
7年ルールの経過措置

2024年以降の贈与から段階的に適用されます。完全に7年になるのは2031年以降です。

相続時精算課税制度

もう一つの選択肢として相続時精算課税制度があります。

項目 暦年贈与 相続時精算課税
非課税枠 年110万円 累計2,500万円
相続時の扱い 7年以内は加算 全額加算
対象 誰でも 60歳以上の親から18歳以上の子へ

2024年の改正ポイント

2024年から、相続時精算課税制度に年110万円の基礎控除が追加されました。

読者
読者

どういうことですか?

青山
青山

相続時精算課税を選んでも、毎年110万円までは相続財産に加算されなくなりました。これは大きな改正です。以前は、一度選択すると暦年贈与に戻れず、少額の贈与でも全額が相続財産に加算されていました。

具体的な相続対策

1. 現状把握から始める

まずは、現在の資産と将来の相続税を把握しましょう。

チェックリスト:

  • 不動産の評価額(路線価で概算)
  • 預貯金・有価証券の残高
  • 生命保険の死亡保険金
  • 法定相続人の人数
  • 基礎控除額の計算

2. 生前贈与を計画的に

基礎控除を超えそうな場合は、生前贈与を検討しましょう。

贈与先の例:

  • 子どもへの贈与
  • 孫への贈与(教育資金贈与の非課税制度)
  • 配偶者への自宅贈与(おしどり贈与)

3. 非課税制度の活用

相続・贈与には様々な非課税制度があります。

制度 非課税限度額 条件
暦年贈与 年110万円 なし
住宅取得資金贈与 最大1,000万円 住宅購入目的
教育資金一括贈与 1,500万円 30歳未満の子・孫へ
結婚・子育て資金贈与 1,000万円 18〜49歳の子・孫へ
生命保険の非課税枠 500万円×法定相続人数

4. 専門家への相談

相続対策は複雑で、個別の事情によって最適な方法が異なります。資産が大きい場合は、税理士や相続の専門家に相談することをおすすめします。

相談のタイミング

「まだ早い」と思っているうちに相談するのがベストです。相続発生後では使えない対策も多いため、余裕を持った準備が大切です。

投資と相続の関係

投資資産も相続財産になる

NISAや特定口座の株式・投資信託も、相続財産として評価されます。

読者
読者

NISAも相続税の対象になるんですか?

青山
青山

はい。NISAは「運用中の利益が非課税」というだけで、相続時には評価額が相続財産に含まれます。非課税枠は相続人に引き継げないので、この点は注意が必要です。

相続を見据えた資産配分

相続対策を考える場合、資産の「流動性」も重要です。

  • 流動性が高い資産:預貯金、上場株式、投資信託
  • 流動性が低い資産:不動産、非上場株式

相続税の納税資金を確保するために、一定の流動性を持った資産を残しておくことも大切です。

まとめ

資産1,000万円を超えたら考える相続対策についてまとめます。

相続税の基礎控除:

  • 3,600万円 + 600万円 × 法定相続人の数
  • 相続人2人なら4,800万円まで非課税
  • 都市部の不動産があると超えやすい

生前贈与のポイント:

  • 暦年贈与:年110万円まで非課税
  • 相続時精算課税:2,500万円まで非課税
  • 2024年から精算課税に110万円の基礎控除追加

相続対策の基本:

  • 早めに始めるほど効果的
  • 非課税制度を活用する
  • 複雑な場合は専門家に相談

「まだ先」と思わず、少しずつ準備を始めましょう。


※本記事は情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。
個別の相続対策は税理士等の専門家にご相談ください。

よくある質問

Q
相続税がかかるのはいくらからですか?
A

基礎控除(3,600万円+600万円×法定相続人の数)を超えた場合に相続税がかかります。相続人が2人なら4,800万円を超えた部分に課税されます。

Q
生前贈与は年間いくらまで非課税ですか?
A

暦年贈与なら年110万円まで非課税です。これを超えると贈与税がかかります。相続時精算課税を選択すれば、累計2,500万円まで非課税で贈与できます。

Q
相続対策はいつから始めるべきですか?
A

早ければ早いほど効果的です。生前贈与は時間をかけるほど非課税枠を多く使えます。また、2024年の改正で相続前7年以内の贈与が加算対象になったため、より早期の開始が重要です。

Q
NISAは相続税の対象になりますか?
A

はい、対象になります。NISAは運用中の利益が非課税になるだけで、相続時には評価額が相続財産に含まれます。非課税枠は相続人に引き継げません。