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配当金の税金|二重課税と外国税額控除の仕組みを解説
節税・制度 株式投資

配当金の税金|二重課税と外国税額控除の仕組みを解説

2026-01-04
2026-01-04 更新

米国株の配当金には二重課税がかかっている?外国税額控除の仕組みと確定申告での取り戻し方を解説。高配当株投資家は必見です。

「米国株の配当金から税金がたくさん引かれている」「二重課税って何?」

高配当株投資をしていると、配当金にかかる税金が気になりますよね。特に米国株の配当金は、日本と米国の両方で課税される「二重課税」の問題があります。

この記事では、配当金の税金の仕組みと、外国税額控除で二重課税を解消する方法を解説します。

配当金にかかる税金

日本株の配当金

日本株の配当金には、約20%の税金がかかります。

税金の種類 税率
所得税 15.315%
住民税 5%
合計 20.315%

例:10,000円の配当金を受け取る場合

  • 税金:約2,032円
  • 手取り:約7,968円

特定口座(源泉徴収あり)なら、この税金は自動的に引かれます。

米国株の配当金

米国株の配当金は、米国と日本の両方で課税されます。

課税 税率 備考
米国での源泉徴収 10% 日米租税条約による軽減税率
日本での課税 20.315% 米国で引かれた後の金額に対して
読者
読者

日本で20%、アメリカで10%、合計30%も取られるんですか?

青山(独立系FP)
青山(独立系FP)

計算はやや複雑ですが、実質的な税負担は約28%程度になります。日本での課税は米国で引かれた後の金額に対してかかるためです。それでも日本株より税負担が重いのは事実です。

二重課税の具体例

100ドルの配当金を受け取る場合を計算してみましょう(1ドル=150円と仮定)。

ステップ1:米国での源泉徴収(10%)

  • 100ドル × 10% = 10ドル
  • 手取り:90ドル

ステップ2:日本での課税(約20%)

  • 90ドル × 20.315% = 約18.3ドル
  • 手取り:約71.7ドル

合計税負担

  • 米国:10ドル + 日本:18.3ドル = 28.3ドル
  • 税率換算:約28.3%
NISAの場合

NISAで米国株を保有している場合、日本での課税(20.315%)は非課税になりますが、米国での10%は引かれます。NISAでも完全非課税ではない点に注意してください。

外国税額控除とは

外国税額控除とは、外国で支払った税金を日本の所得税から差し引く制度です。これにより、二重課税を解消できます。

仕組み

  1. 米国で配当金の10%が源泉徴収される
  2. 日本で確定申告して外国税額控除を申請
  3. 米国で払った税金の一部が日本の所得税から控除される
  4. 結果として二重課税が解消される

控除額の上限

外国税額控除には上限があります。

控除限度額 = 所得税額 ×(国外所得 ÷ 総所得)

簡単に言うと、日本の所得税額の範囲内でしか控除できません。所得が少ない人や、国外所得が総所得に占める割合が小さい人は、全額控除できないこともあります。

読者
読者

必ず全額戻ってくるわけではないんですか?

青山
青山

そうなんです。所得税額が少ない場合や、配当金以外の所得が少ない場合は、全額控除できないことがあります。ただし、控除しきれなかった分は3年間繰り越せます。

外国税額控除の申請方法

必要書類

1. 年間取引報告書

  • 証券会社から発行される
  • 外国源泉徴収税額が記載されている

2. 外国税額控除に関する明細書

  • 確定申告書作成コーナーで作成可能

申請手順

手順 外国税額控除の申請手順
1
年間取引報告書を確認

証券会社から届く年間取引報告書で、「外国源泉徴収税額」を確認します。これが米国で引かれた税金の金額です。

2
確定申告書作成コーナーにアクセス

国税庁の確定申告書作成コーナーで、「外国税額控除」の項目を選択します。

3
必要事項を入力

外国で支払った税金の金額、国名(米国)、所得の種類(配当所得)などを入力します。

4
控除額を確認して申告

システムが自動で控除限度額を計算します。控除額を確認して申告書を提出しましょう。

ポイント

外国税額控除の計算は複雑ですが、確定申告書作成コーナーを使えば自動計算されます。年間取引報告書の数字を正しく入力すればOKです。

外国税額控除を使うべき人

おすすめの人

  • 米国株(高配当ETF含む)から配当金を受け取っている
  • 課税口座(特定口座・一般口座)で運用している
  • 年間の配当金がそれなりの金額(目安:10万円以上)

使わなくてもいい人

  • NISA口座のみで運用している(日本での課税がないため控除対象外)
  • 配当金が少額で手間に見合わない
  • そもそも所得税を払っていない

よくある誤解

誤解1:NISAなら外国税額控除できる

できません。NISAは日本の税金が非課税になる制度であり、米国で源泉徴収された税金は戻ってきません。

誤解2:確定申告すれば全額戻る

控除限度額があるため、全額戻るとは限りません。ただし、控除しきれなかった分は3年間繰り越せます。

誤解3:特定口座なら自動で控除される

自動ではありません。外国税額控除を受けるには確定申告が必要です。

二重課税を避ける方法

方法1:NISAを活用する

NISAで米国株を保有すれば、日本での20%課税がなくなります。米国の10%は残りますが、トータルの税負担は軽くなります。

方法2:ETFより投資信託を選ぶ

米国籍のETF(VYMなど)は二重課税の問題がありますが、日本籍の投資信託(eMAXIS Slim S&P500など)は、ファンド内で処理されるため二重課税の影響が軽減されます。

方法3:確定申告で外国税額控除を申請

課税口座で米国株を保有している場合は、確定申告で外国税額控除を申請しましょう。

まとめ

配当金の税金と外国税額控除について解説しました。

ポイント:

  • 日本株の配当金には約20%の税金
  • 米国株の配当金は日米両方で課税(二重課税)
  • 外国税額控除で二重課税を解消できる
  • 控除には確定申告が必要
  • NISAでは日本の課税は非課税だが米国の10%は引かれる

高配当株投資をしている方は、確定申告で外国税額控除を申請することをおすすめします。

よくある質問

Q
Q1. 米国株の配当金にはどのくらい税金がかかりますか?
A

米国で10%、日本で約20%が課税され、実質的な税負担は約28%程度です。外国税額控除を申請すれば、二重課税分を取り戻せます。

Q
Q2. NISAで米国株を買えば税金はかかりませんか?
A

日本での約20%は非課税になりますが、米国での10%は引かれます。NISAでも完全非課税ではありません。

Q
Q3. 外国税額控除は自動で適用されますか?
A

いいえ、確定申告が必要です。特定口座(源泉徴収あり)でも、外国税額控除を受けるには自分で申告しなければなりません。

Q
Q4. 外国税額控除で全額戻ってきますか?
A

控除限度額があるため、全額戻るとは限りません。所得税額が少ない場合は一部しか控除できないこともあります。控除しきれなかった分は3年間繰り越せます。