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企業型DCからiDeCoへの移換ガイド|退職・転職時の手続きと注意点
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企業型DCからiDeCoへの移換ガイド|退職・転職時の手続きと注意点

2026-01-05
2026-01-05 更新

退職・転職時の企業型DCはどうなる?iDeCoへの移換手続き、期限、放置した場合のデメリットを解説。大切な年金資産を守りましょう。

「退職したら企業型DCはどうなる?」「iDeCoに移換する方法は?」

退職や転職で企業型DC(企業型確定拠出年金)を離れる時、適切な手続きが必要です。

この記事では、企業型DCからiDeCoへの移換について解説します。

企業型DCとiDeCoの違い

企業型DC(企業型確定拠出年金)

会社が掛金を拠出し、従業員が運用する年金制度です。

特徴:

  • 会社が掛金を負担(一部本人拠出もあり)
  • 運用商品は会社が選んだものから選択
  • 退職すると加入資格を失う

iDeCo(個人型確定拠出年金)

個人が自分で掛金を拠出し、運用する年金制度です。

特徴:

  • 自分で掛金を拠出
  • 掛金が全額所得控除
  • 運用商品を自由に選べる
  • 60歳まで引き出せない
読者
読者

退職したら企業型DCはどうなるんですか?

青山(独立系FP)
青山(独立系FP)

退職すると企業型DCの加入資格を失います。6ヶ月以内に移換手続きをしないと、資産が「国民年金基金連合会」に自動移換され、デメリットが発生します。

退職後の選択肢

選択肢1:iDeCoに移換(おすすめ)

企業型DCの資産をiDeCoに移換して、運用を継続します。

メリット:

  • 運用を継続できる
  • 自分で運用商品を選べる
  • 掛金を拠出すれば所得控除も受けられる

選択肢2:転職先の企業型DCに移換

転職先に企業型DCがあれば、そちらに移換できます。

メリット:

  • 手続きが比較的簡単
  • 会社が管理してくれる

注意点:

  • 転職先の制度内容による
  • 運用商品が変わる可能性

選択肢3:脱退一時金として受け取る

条件を満たせば、脱退一時金として受け取れる場合があります。

条件(すべて満たす必要あり):

  • 60歳未満
  • 企業型DCの加入期間が3年以下 or 資産額25万円以下
  • 国民年金の保険料免除者 など

多くの人は条件を満たさないため、この選択肢は使えません。

重要

「放置」は絶対にNGです。6ヶ月以内に手続きしないと、自動移換されてデメリットが発生します。

放置した場合のデメリット

6ヶ月以内に手続きしないと、資産が国民年金基金連合会に自動移換されます。

デメリット1:運用できない

自動移換されると、資産は現金のまま放置されます。運用できないため、増える機会を失います。

デメリット2:手数料がかかる

自動移換時と、その後毎月管理手数料がかかります。

  • 自動移換時:4,348円
  • 毎月:52円

資産が目減りしていきます。

デメリット3:受給開始が遅れる可能性

自動移換期間は加入期間に算入されません

加入期間が短いと、受給開始年齢が遅くなる可能性があります。

デメリット4:手続きが面倒に

後から移換する場合、追加の手数料がかかります。

  • 自動移換からの移換:1,100円

iDeCoへの移換手順

手順 企業型DCからiDeCoへの移換手順
1
iDeCoの金融機関を選ぶ

iDeCoを取り扱う金融機関(運営管理機関)を選びます。SBI証券、楽天証券などネット証券がおすすめです。手数料と運用商品で比較しましょう。

2
iDeCoの加入申込書を請求

選んだ金融機関のサイトから、加入申込書を請求します。オンラインで完結する金融機関もあります。

3
必要書類を準備

本人確認書類、基礎年金番号が分かるもの(年金手帳など)を準備します。

4
申込書を記入・提出

申込書に必要事項を記入し、提出します。「移換」を選択し、企業型DCの資産を移すことを明記します。

5
審査・手続き完了

国民年金基金連合会の審査を経て、iDeCo口座が開設されます。通常1〜2ヶ月かかります。

6
資産の移換

企業型DCの資産がiDeCo口座に移換されます。移換完了まで2〜3ヶ月かかることがあります。

移換時の注意点

注意1:6ヶ月の期限を守る

退職日の翌月から6ヶ月以内に移換手続きを完了させましょう。

手続きに時間がかかるため、退職後すぐに着手することをおすすめします。

注意2:運用商品は現金化される

移換時に企業型DCの運用商品は一度現金化されます。

  • 移換中は運用できない期間がある
  • 移換後、改めて運用商品を選ぶ必要がある

注意3:手数料を比較する

iDeCoの金融機関によって手数料が異なります

金融機関 口座管理料(月額)
SBI証券 171円
楽天証券 171円
マネックス証券 171円
銀行・証券(高いところ) 400円以上

ネット証券を選べば、年間で数千円の差になります。

注意4:掛金の設定

iDeCoでは掛金を拠出するかどうか選べます。

選択肢:

  • 掛金を拠出する → 所得控除を受けられる
  • 掛金を拠出しない(運用指図者)→ 移換した資産のみ運用

収入がない期間や、他の支出が優先の場合は「運用指図者」も選べます。

読者
読者

掛金を出さなくてもいいんですか?

青山
青山

はい、運用指図者として移換した資産だけ運用することもできます。ただし、掛金を拠出すれば所得控除が受けられるので、余裕があれば拠出がおすすめです。

おすすめのiDeCo金融機関

SBI証券

  • 口座管理料:171円/月(業界最低水準)
  • 運用商品:eMAXIS Slimシリーズなど低コスト商品
  • サポート:電話・チャット対応

楽天証券

  • 口座管理料:171円/月
  • 運用商品:楽天・全世界株式など
  • 楽天ポイントとの連携

マネックス証券

  • 口座管理料:171円/月
  • 運用商品:eMAXIS Slimシリーズ
  • サポート充実

まとめ

企業型DCからiDeCoへの移換について解説しました。

ポイント:

  • 退職後6ヶ月以内に移換手続きが必要
  • 放置すると自動移換でデメリットが発生
  • iDeCoへの移換がおすすめ
  • ネット証券なら手数料が安い
  • 手続きには1〜2ヶ月かかるので早めに着手

大切な年金資産を守るため、退職後すぐに手続きを始めましょう。

よくある質問

Q
Q1. 6ヶ月を過ぎてしまったらどうなりますか?
A

自動移換されますが、後からiDeCoに移換することは可能です。ただし、追加の手数料がかかり、自動移換期間中は運用できません。できるだけ早く手続きしましょう。

Q
Q2. 転職先に企業型DCがある場合、iDeCoと企業型DC、どちらに移換すべきですか?
A

転職先の企業型DCの内容(運用商品、手数料)を確認してから判断しましょう。運用商品が充実していれば企業型DC、自由に選びたければiDeCoがおすすめです。

Q
Q3. 移換手続き中は運用できませんか?
A

移換手続き中(2〜3ヶ月)は、資産が現金化され運用できない期間があります。この期間の運用機会損失は避けられません。

Q
Q4. iDeCoの掛金上限はいくらですか?
A

職業によって異なります。会社員(企業年金なし)は月2.3万円、自営業は月6.8万円、公務員は月1.2万円などです。転職後の状況に応じて確認してください。