「金利が上がると、何が変わるの?」
——30年以上続いたゼロ金利時代が終わり、「金利のある世界」が始まりました。
2025年12月、日銀は政策金利を0.75%に引き上げ。これは約30年ぶりの高水準です。さらに2026年度には1.25%への追加利上げが予想されています。
この記事では、金利上昇時代の資産運用戦略を解説します。
金利はどこまで上がる?
専門家の予測
| 時期 | 政策金利予想 |
|---|---|
| 現在(2026年1月) | 0.75% |
| 2026年9月 | 1.0%(野村総研予測) |
| 2027年6月 | 1.25%(野村総研予測) |
1%って、まだ低くないですか?
海外と比べれば確かに低いですが、日本にとっては大きな変化です。30年以上ほぼゼロだった金利が1%を超えるというのは、経済の仕組みが根本から変わることを意味します。
長期金利の見通し
長期金利(10年国債利回り)も上昇傾向にあります。
ニッセイ基礎研究所の予測:
- 2026年末:2.1%程度
- 住宅ローン・債券投資に直接影響
10年物国債の利回りのことで、住宅ローンの固定金利や企業の借入コストに影響します。日銀が直接コントロールするのは短期金利(政策金利)ですが、長期金利は市場で決まります。
住宅ローンへの影響
変動金利の上昇
住宅ローンの変動金利は、政策金利に連動して上昇しています。
| 時期 | 変動金利目安 |
|---|---|
| 2025年12月 | 0.7%〜1.0% |
| 2026年度 | 1.25%程度 |
| 2027年度 | 1.5%程度(予測) |
変動金利で借りてるんですが、大丈夫でしょうか?
すぐに焦る必要はありません。ただし、返済額がどのくらい増えるか試算しておくことをおすすめします。例えば借入残高3,000万円で金利が0.5%上がると、月の返済額は約7,000円増えます。
固定金利の動向
フラット35(2026年1月)は2.08%に決定しました。
固定 vs 変動の判断ポイント:
- 変動:今は低いが上昇リスクあり
- 固定:今は高いが将来の安心感
- ミックス:両方のメリットを取る
「金利が上がる前に固定に借り換え」という考えもありますが、借り換え費用(数十万円)がかかります。残期間や借入額によっては借り換えしない方が有利な場合も多いので、シミュレーションが必須です。
資産運用への影響
プラスの影響
1. 預金金利の上昇
やっと預金にも利息がつく時代が来ました。
| 預金種類 | 金利目安 |
|---|---|
| 普通預金 | 0.1%〜0.2% |
| 定期預金(1年) | 0.3%〜0.5% |
| ネット銀行定期 | 0.5%〜0.8% |
預金に利息がつくようになったんですね!
はい。ただしインフレ率(約2%)には追いつかないので、預金だけでは資産価値が目減りします。あくまで「安全資産」の置き場所として考えましょう。
2. 銀行株の上昇
金利上昇は銀行の「利ざや」を拡大させます。メガバンク株は2025年から好調で、2026年も有望セクターの筆頭です。
3. 債券投資の復活
長期金利が2%を超えると、個人向け国債や社債への投資が現実的な選択肢に戻ってきます。
金利上昇局面では、既存の債券価格は下落します。しかし、新規発行される債券は高い利回りで購入できます。今から債券を買う場合は、短期債か変動金利型がおすすめです。
マイナスの影響
1. 円高リスク
日本の金利が上がると、円を買う動きが強まり円高になりやすくなります。
円高になると、どう影響しますか?
外国株や外貨建て資産の円換算価値が下がります。すでに米国株やオルカンに投資している人は、為替の影響を受けることを意識しておきましょう。
2. グロース株への逆風
金利上昇は、将来の成長を織り込んだグロース(成長)株には逆風となります。
金利上昇時代の投資戦略
資産配分の見直し
金利上昇局面では、資産配分の見直しが重要です。
検討ポイント:
債券比率の調整
- 従来:株式100%の人も多かった
- 今後:債券10〜20%を組み入れる選択肢も
円建て資産の比率
- 円高リスクを考慮
- 日本株・日本債券の比率を見直す
生活防衛資金の置き場所
- ネット銀行の定期預金
- 個人向け国債(変動10年)
セクター選択
| 金利上昇で有利 | 金利上昇で不利 |
|---|---|
| 銀行・保険 | 不動産(REIT含む) |
| 高配当株 | グロース株 |
| バリュー株 | 借入依存度の高い企業 |
NISAの活用方針
新NISAの投資方針を見直すタイミングかもしれません。
見直し例:
- つみたて投資枠:そのまま継続(長期視点)
- 成長投資枠:高配当株・バリュー株にシフト
金利上昇を理由に、長期のインデックス投資をやめる必要はありません。短期的な変動はあっても、10年、20年の長期では成長が期待できます。
やるべきこと5つ
- 預金金利の上昇(やっと利息がつく)
- 銀行株・高配当株の好調
- 債券投資が選択肢に復活
- 実質賃金の上昇期待
- 住宅ローン返済額の増加
- 円高による外貨資産の目減り
- グロース株への逆風
- 借入コストの上昇
具体的なアクション:
住宅ローンの返済額をシミュレーション
- 金利が1%、1.5%になった場合の返済額を確認
生活防衛資金の置き場所を見直し
- ネット銀行の定期預金を比較検討
資産配分の再検討
- 債券・日本株の比率を見直し
NISAの投資先を確認
- 成長投資枠の使い方を再検討
為替リスクを意識
- 外貨資産の比率が高すぎないか確認
まとめ
金利上昇時代の投資戦略をまとめます。
金利の見通し:
- 現在:政策金利0.75%
- 2026年度:1.25%へ追加利上げ予想
- 長期金利:2.1%程度へ
投資への影響:
- 預金金利の上昇(プラス)
- 銀行株・債券投資の復活(プラス)
- 円高リスク・グロース株への逆風(マイナス)
やるべきこと:
- 住宅ローンのシミュレーション
- 資産配分の見直し
- 円建て資産の比率検討
30年ぶりの「金利のある世界」。不安もあるかもしれませんが、正しく理解すれば味方につけることができます。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
よくある質問
専門家の多くは2027年度に1.25%程度で一旦停止すると予測しています。その後は経済状況次第ですが、急激な上昇は想定されていません。
一概には言えません。借り換え費用(数十万円)と、残期間・借入額を考慮したシミュレーションが必要です。残期間10年以下なら借り換えない方が有利な場合が多いです。
長期投資なら売る必要はありません。為替は上下するもので、10年、20年の長期では平準化されます。短期売買でなければ、継続保有が基本です。
金利上昇局面では、短期債か変動金利型(個人向け国債・変動10年など)がおすすめです。長期固定の債券は、金利がピークを迎えてから検討しましょう。